いつの間にやら2024年。このブログを始めてから12年も経ちました。
そしていつの間にやら日本哺乳類学会が公開してる哺乳類の標準和名リストが更新されていたのです!!
…いや、いつの間にかってことはないです。単に私が気付いてなかっただけです。
でも今までは2018年版を使っていたのですよ。内容的には昔からほぼ変わらない分類だったので、このブログにもほとんど反映させてなかったのですが、更新された2021年版は大幅に新しくなってました!
ジリス属が分割されている!Xerinaeにジリス亜科と和名が付いている!Callosciurinaeにタイワンリス亜科と和名が付いている!
などなど和名リストを見ているだけで1日つぶせるくらい興味深いし、当ブログの情報も併せて更新したくなります。更新作業は膨大になりそうなので追って少しずつやるとして、分類が新しくなったことによる大事件をご紹介しましょう。
日本ではなぜかリスと言えばシマリス、なんです。ペットとして昔から飼われることが多かったからなのでしょうか?しましまがあって小さくてかわいらしいと人気が高いのです。
そんなシマリスの和名は「シマリス」。シマリス属を代表する ユーラシア大陸に広く分布するシマリス、だったのですが…当ブログでもたびたび取り上げてきましたが海外ではシマリス属を分割する分類が主流となっていたようで、新しくなった標準和名もついに分割されたのです!!
その詳細はこちら!!
…お気づきいただけただろうか?
真ん中のシベリアシマリスというのが私たち日本人が「シマリス」と呼んでいたシマリスです。シマリス属から独立し、一属一種の「タイリクシマリス属シベリアシマリス」となったのです!!!!
こちらの記事でも書いていたように前から分割されてることは知ってはいたのですが、和名がついてしまうといよいよ「一説によると」とかではなく確定事項なんだなぁとしみじみしてしまいます。
シマリス全種やシマリスではないシマのあるリスにフィーチャーした「シマリスの世界地図」を私が作った2021年秋にはまだ和名がなかったのでやむなく「こういう分け方もあるよ」と海外の分け方を紹介するにとどめていたわけですが、その年の年末にはもう分けられていたのですね…
あ、シマリスの標準和名はずっと「シマリス」でしたが、他のシマリス属のシマリスと区別する場合には「シベリアシマリス」という名も便宜的に使われていたのでシマリスの世界地図では「シベリアシマリス」の名前は既に使っていました。
せっかくなのでその他のシマリスについても少し。
左端、シマリス属に唯一残ったトウブシマリスは、北アメリカ東部に分布するリスです。シベリアシマリスより少し大きくて太っててしっぽが短くて顔の模様がうっすらしてて背中が灰色で脇の2本の黒いシマが少し離れているのが特徴です。アメリカの広い部分で見られるのでアメリカ人にとってはトウブシマリスが「シマリス」なんじゃないかと推測します。だって顔が思いっきりチップとデールじゃありません?しま模様の印象もまんまですし。検索して何のシマリスかわからない写真が出てきたらチップとデールっぽければトウブシマリスと覚えておくとイイでしょう。
右端のアメリカシマリス属は、従来シマリス属とされてきた残りの23種が全てこのグループに移動しました。描ききれないので2種だけ描きました。みんなすごくよく似ている上個体差が大きく種を見分ける難易度は高いです。分布する場所で見分けるのが良いですが種によってはかぶっていることがあり、違いが何でわかるかというと・大きさ とか・鳴き声 とか写真からだとわからない情報だったりします。
シマリスの世界地図が気になっちゃった人はこちらから通販できるのでよろしくお願いします。
また哺乳類の分類が気になっちゃった人は国立科学博物館で開催中の「大哺乳類展3」をおすすめします。哺乳類分類の今がわかる大ボリュームの企画展です。何度でも楽しみたいです!!!