タイワンリスは昭和初期に飼育されていた台湾産のリスが逃げ出して野生化したといわれています。鎌倉や伊豆大島、金華山で見られるのが有名ですね。その他でも見られる地域があるようです。
また、動物園で実際に飼育されている姿を見ることも出来ます。町田リス園や大島リス村に行くと、タイワンリスの放し飼い広場でひまわりの種をあげる体験ができます。
このタイワンリス、実は、中国南部、マレー半島、インドシナ半島と台湾などなどと非常に広い範囲に生息するクリハラリスの亜種で学名はCallosciurus erythraeus thaiwanensisとなります。
クリハラリスは腹部が栗色(赤茶色)なのが特徴なのですが、個体によって色が違ったりするので必ずしもお腹が赤くありません。日本で見られるものもお腹が背中と同じ色をしたリスが多いですよね。
でも、私は亜種名タイワンリスのことも、クリハラリスと呼びたいと思います。
なぜならば!!
タイワンリスという名前は紛らわしいんです。これとは別の「タイワンリス」という種名のリスがいるからです。
それはCallosciurus canicepsのことで英語ではGray-Bellied Squirrelと呼ばれています。和名は「ハイガシラリス」と呼ばれることもあるようですが併記されていたり普通に「タイワンリス」と書かれてたりするので単純に「タイワンリス」と言った場合どっちのリスを指すのかわからないことになります。
それはもう ある出版されている書籍では完全に混同されていたり、日本に移入したリスは実はこのリスの亜種なんじゃないかという説が生まれたり、Callosciurus canicepsに更に亜種名thaiwanensisがついた文献があったりと盛大な混乱っぷり。
でも、例の台湾産のリスはこの「タイワンリス」ではないのです。それが証拠に、「タイワンリス」は台湾には生息していません。
…ん?(・ω・)
もう一度言います。タイワンリス(C. caniceps)は台湾にはいません。
おいーーーーっwww
なんでこんな和名が付いてるんでしょうね?台湾経由で紹介されたとか?または実際に混同されていたのか…定かではありませんが。確かに一部生息地がかぶってるし似たようなリスではありますが。(^_^;)
ちなみにハイガシラってどういう意味なんでしょうね?ハイガシラオオコウモリと同じ感じですかね。灰色の頭?それなら特徴を表してると思いますよ。たしかに頭も灰色ですもんね。でもですよ?辞書で引くとはいがしら、それすなわちはえがしら、蠅の頭の意味だと書かれていました。
…は、ハエの頭・・・・(ー∀ー;)
謎は深まるばかりであります。とにかくこれを知って私はクリハラリス(C. erythraeus) なのかハイガシラリス(C. caniceps) なのかわかるようになるべく「タイワンリス」は使わないもしくは併記する方向で表記していきたいと思いました。