何故、リスを外に放してはいけないのでしょうか。
鎌倉や伊豆大島で野生化した、台湾からやってきたクリハラリス(通称タイワンリス)の問題は国内でよく聞く話です。別の場所から持ち込まれた生き物を外来種と言い、それが野生化して定着すると、こんなことが起こります。。。
生態系保全の研究者 長い年月をかけてできた、たくさんの生物によってバランスが保たれてる貴重な自然が、外来種によって壊されてしまう。それも一度壊れてしまったらもう元に戻らないんだ。
元々いた生き物たち ワケわかんない奴と食べ物や住む場所を取りあわなきゃいけないよ。相手が強かったら負けちゃうかも。てゆーかぼくたち食べられちゃう!?
近所の人 農作物や周りの環境が荒らされる被害が出てるのよ。もしかしたら変な病気を持ってるかも。凶暴だって聞くし恐いわ~。
役所の環境課 外来種の被害を防ぐために駆除もやっております。捕獲動物の処分もおこないますが、これまた費用がかかるんです。困ったものです。
その動物が好きな人 外来種というだけで悪者扱いされるのはかわいそう。しかも捕獲された動物を個人が保護することも禁止されていて、駆除する以外の道が一切ないなんて酷すぎる。
外国産ペットの愛好者 安易にペットを捨てる人のおかげで変わったペットを飼う人はみんなが持て余すっていう偏見でみられるよ。大多数の人は可愛いがってるペットを手放すなんてあり得ないのに。
放された動物 故郷から遠く離れた場所に連れてこられて必死に生きてたところを捕まえられて、これからガス室に送られるみたい…。いやだよ~!ご主人、どうしてぼくを捨てたの?
…とそれぞれの立場で想像した声で問題を要約してみました。
このように関わる人それぞれにとって不幸な出来事ですので、今後なくしていきたいですよね。
ペットの飼い主さんに限らず、動物園や家畜農場、研究者の方等々も、不幸な外来種を増やさないよう飼育している動物をきちんと管理してくださるよう願います。
と、ここで終わりにしたいのですがもう一つだけ、よろしいですか?w
外来種と言ってもすべての種がみんなを困らせるわけではありません。オカダンゴムシは明治時代に日本にやってきたそうですがすっかりどこにでもいて子どもを中心に愛されていますし、埼玉県の鳥シラコバトは、江戸時代に持ち込まれ定着したらしいですが天然記念物として保護までされています。
この違いは、一体なんでしょう。
思うに、厄介者扱いされる外来種は外国から来たということが本当の理由ではないのかもしれませんね。人間の生活に邪魔だから排除される…というのが実情ではないでしょうか。
もちろん、本当に元の自然のバランスを乱す侵略的な外来種であるならば、放っておいて良いはずがありません。
ですがここで、考えなければならないことがあります。
かつてないペースで住む場所を広げ、自然を壊し多くの生き物たちの命を奪っている本当の侵略種は、一体誰なのでしょうか…?
これから先も、美しい自然がずっと受け継がれるといいですね。